シニアのためのIT講習~27年目の歩み

 2025年、年頭にあたりましてご挨拶申し上げます。

 私ども認定NPO法人仙台シニアネットクラブは1998年に創業以来、仙台市のご支援の下、パソコンによる「シニア(60歳以上の高齢者を指しています)のためのIT講座」を創設、開始し、途上スマートフォン(以下スマホ)の新登場によりタブレットおよびスマホを加えた三機種でのIT講座を続けて参りました。クラブ員は全てシニアであるのが特徴です。

 仙台市民の皆さまを主とし、宮城県内近隣市町村におきましてはご要請いただいた各種講座の講師派遣を実施しております。この間複数の小学校でのパソコン教室の実施や1999年に県内及び米カリフォルニアのミドルスクールとの遠隔地共同授業も実現、他に不登校児支援のパソコン講習を長年に亘り継続して参りました。

 デジタル化の進展に伴い行政においては「誰一人取り残されない人に優しいデジタル社会」の実現というスローガンのもとに、特にスマホについては総務省のデジタル活用支援推進事業(デジ活と呼称)があり、直前2か年間は講師派遣を通じて微力ながらスマホ活用への貢献活動に努め、各主催の公共・公益団体におかれては好評をいただいているのではないかと密かに(自負)しております。

 個人としても現場第一に持てる知見と教える技術・熱意の全てを、共に活動するボランテイアのクラブ員と共に推し進めています。

 他方、総務省の令和六年公表の通信利用動向調査でスマホ所有者は約79%であるが年代別に70歳から79歳の層は64%余りと大きな開きがあることが分かっています。

 中でもインターネット(以下ネット)利用では全体86%に対し同年代層は67%と年代から来るデジタルへの躊躇が垣間見えるところであります。

 またネット利用者の7割が何らかの不安を感じ、特に違法・有害情報や真偽不確かな情報を見てしまうのではないかという不安、があるようです。

 このような状況の中で、仙台市の同年代層における人口は12万人余り、上記調査に換算しますとスマホ未所有は4万3千人余り、ネットの未利用は3万9千人、またネット利用8万人余の内で何らかの不安を抱えている7割は5万6千人余りに上ると推定できます。

 未所有、未利用数については「誰一人取り残されない・・」という視点から見て、まだまだシニアのためのIT講習が必要かつ意義あるものと考えます。

 このような状況に私どもは身の丈にあった、熱意はあるが、無理をしない(私ども法人の会員自体が高齢者集団である)活動を持続してまいりたい。 

 一点、継続のためには事務所・教材・使用機器等の維持管理のために必須の費用があり、一部講座料(市場価格比安価で良質な)を頂戴する講座がありますが維持に必要で、それでもやはり財政は厳しいものがございます。

 これら活動にご支援、ご賛同いただきまして寄付若しくは賛助会員会費等のご支援賜りますれば、幸甚に存じます。    

                 

認定 NPO法人 仙台シニアネットクラブ
理事長 西本 正文